もしも・・の準備 ~遺言書 公正証書編~ 子なし・前妻に子供あり夫婦の遺言書。公正証書で自宅を守る方法

前回は自分で書く「自筆証書遺言」についてお話ししましたが、今回は「もっと安心で、確実に自分の想いを遺せる方法」である公正証書遺言についてのお話になります。

こんな方に読んでほしい記事です
◎子なし・前妻に子供ありの再婚夫婦
◎財産の大半が「自宅(不動産)」で、手元の現金が少ない方
◎家族に1ミリも揉めてほしくない、確実な遺言書を遺したい方

「公証役場に行くなんて、なんだかハードルが高そう…」
「費用や手間がすごくかかるんじゃないの?」

そう思っている方も多いのではないでしょうか?
でも仕組みさえ分かってしまえば、それほどハードル高くありません。
公証人役場に電話予約する勇気、足を運ぶ勇気、さえあれば、できます!
むしろ、自筆にはない「プロにお任せできる圧倒的な安心感」があります。

我が家は、二人ともバツイチ夫婦。
ぴーたん夫婦に子供はいません。
でも殿さまは、前妻の子供がいます。再婚です。
殿さまは、ぴーたんより、12歳年上なので、普通に考えると、ぴーたんが残されてしまう可能性が高いです。
そういったこともあり、ぴーたんが路頭に迷わないように、公正証書を作ってくれました。
その当時は、必要ないと思ったけど、調べれば、調べるほど、これ、作ってもらってなかったら、とんでもないことになってたのかも、と感謝する出来事になりました。

もしも、のことなんて、もしも、であってほしいし、なるべく考えたくない。
まして、もしものことが起こったとして、考えることが、お金目的みたいなの、なんかやだ・・
おっしゃる通り。。
その気持ち、ものすごく分かります。
だけど、この記事を見てみてください。万が一のときに備えがなければ、大好きなパートナーが本当に困ってしまうとしたら、、
それでも、そのままに、しておけますか?

情報が書籍や、プロに聞くしかなかった時代とは違います。
これだけ、自分で情報を簡単に探したり、確認したりできる時代に、やれることをやれてないのは、もったいないです。

いつまでも、ずっと一緒にいれるなら、そばで、守ることができるかもしれない。
でもできない可能性、ありますよね?

一つ書類を作っておけば、守るべき相手が守れます。
そんなお話です。

【我が家のケースで検証】

遺言書がないと財産はどうなる?

仕組みをリアルに理解してもらうために、我が家の家族構成と財産をモデルにしてシミュレーションしてみます。

■ 家族構成
殿さま(T)、ぴーたん(P)
殿さま側:T両親、T弟、前妻の子供
ぴーたん側:P両親、P姉、P弟、P妹

■ 相続対象となる財産(はい、見栄です!が、計算しやすいような金額想定してます。笑)
不動産(自宅):5,000万円
預貯金:2,000万円
💰 財産総額:7,000万円

殿さま、ぴーたんの家系図
殿さま、ぴーたんの家系図


ケース1:遺言書がある

殿さまが亡くなり、「すべてぴーたんに遺す」という遺言書がある場合

【結論】 自宅も預貯金も、基本的にはすべてぴーたんがスムーズに相続できます。

手続きの難易度: ★☆☆☆☆(非常にラク)

遺言書(公正証書)があるため、殿さまの親兄弟や前妻の子供と「遺産分けの話し合い(遺産分割協議)」をする必要が一切ありません。遺言書を持って銀行や法務局に行けば、ぴーたん単独で名義変更ができます。
※殿さまに前妻の子供がいるので、、正直、ぴーたん単独で手続きできる!というのが非常にありがたいと思ってます。

⚠️ 知っておきたい「遺留分」のこと
前妻の子供には、法律上最低限もらえる権利(遺留分=全体の1/8、今回の場合は875万円)があります。
もし前妻の子供から請求された場合は、その分の「現金」を支払う必要がありますが、手元の預貯金(2,000万円)から支払うことができるため、住み慣れた自宅の名義は100%ぴーたんが確保して守ることができます。
(※殿さまのご両親やご兄弟には遺留分なし)

ケース2:遺言書がない(1)

■殿さまが亡くなり、遺言書が「ない」場合

【結論】 前妻の子供とぴーたんで、すべての財産をキッチリ半分ずつ分け合うことになります。

法律で決まっている割合(法定相続分):
ぴーたん:1/2(3,500万円分)
前妻の子供:1/2(3,500万円分)

手続きの難易度: ★★★★★(精神的にも手続き的にも非常に大変)

遺言書がない場合、前妻の子供と直接連絡を取り、全員の署名と実印を押した「遺産分割協議書」を作らなければ、1円の貯金も下ろせず、自宅の名義変更もできません。
※ここで、前妻の子供と初接触!??精神的に追い詰められそうです・・

😭 ここが最大の落とし穴!
財産の大半が「自宅(5,000万円)」という動かせない不動産のため、前妻の子供に「私の取り分の3,500万円を現金でください」と言われた場合、手元の預貯金(2,000万円)をすべて差し出しても1,500万円足りません。
残されたぴーたんは、最悪の場合、住む家を売却して現金を作らなければいけなくなるリスクがあります。

ケース3:遺言書がない(2)

■夫婦が同時に亡くなり、遺言書が「ない」場合

【結論】 お互いに相続は発生せず、それぞれの財産がそれぞれの血縁へ、完全にバラバラに引き継がれます。

同時死亡の場合、お互いが「いなかったもの」として機械的に扱われます。

殿さまの財産(7,000万円分): 第一順位である「前妻の子供」が100%すべてを相続します。(※殿さまに子供がいるため、殿さまのご両親や弟さんには行きません)

ぴーたんの財産(ぴーたん名義の資産): 子どもがいないため、第二順位である「ぴーたんの両親」が100%すべてを相続します。(※両親が他界の場合は、兄弟)

💡 ここがポイント!
もし「お世話になった自分の親兄弟にも、殿さまの財産から一部を渡したい」、「前妻の子供でなく、お互いの家族にバランスよく遺したい」という希望が心の中にあったとしても、遺言書がない場合は法律のルールで強制的に分けられてしまい、想いを叶えることはできなくなります。

だからこそ知ってほしい、公正証書遺言の「3大メリット」

自筆遺言書も素敵ですが、上記のような複雑なケースや、絶対に失敗したくない場合は、法律のプロである「公証人」が作成してくれる公正証書遺言が圧倒的に安心です。

  • ① 無効になるリスクがほぼゼロ!
    形式の不備(日付や押印のミスなど)で、せっかく書いた遺言書が「ただの紙切れ」になってしまうリスクを完全に防げます。

  • ② 紛失や改ざんの心配がない!
    遺言書の原本は公証役場で厳重に保管されるため、誰かに破棄されたり、隠されたりする心配がありません。

  • ③ 残された家族の「検認(裁判所の手続き)」が不要!
    自筆の場合は、亡くなった後に家庭裁判所で開封する面倒な手続きが必要で、家族に負担がかかりますが、公正証書ならすぐに遺産の手続き(名義変更など)に使えます。

気になる「費用」と「手間」

💰 費用の目安
公正証書遺言の作成には、法律で定められた「公証人手数料」がかかります。金額は「相続させる財産の額」や「財産を渡す人数」によって変わります。

数万円のコストはかかりますが、将来、大切な家族が数千万円の遺産トラブルに巻き込まれたり、住む家を失ったりするのを防ぐための「究極の安心保険」だと考えると、決して高くはありません。

🛠️ 準備の手間と当日の流れ

「手続きが難しそう」と思われがちですが、大まかな流れは以下の通りです。

公証人役場に予約を取る
公証人役場にて遺言書内容を相談する
必要書類を集める(住民票(遺言書本人分、相続人分)、戸籍謄本(本人、配偶者が記載されているもの)、不動産の登記簿謄本など)
証人を2人用意する(※)(当日立ち会ってくれる利害関係のない人。公証役場で紹介してもらうことも可能です)
公証役場で最終打ち合わせ、文章作成
当日は公証人の前で内容を確認して署名・捺印

※ぴーたんたちは、身内にお願いするのも、公証人役場まで足を運んでもらうのも面倒ですし、遺言書内容も知られたくないので、公証役場で紹介いただいた方に証人になっていただきました。
2015年、2024年、2回手続きいたしましたが、どちらも当時、8,000円/人くらいだったと記憶しています。

◆参考: 遺言書作成(日本公証人連合会

公証人の先生と相談して作った遺言書に、遺言者本人、証人2名、そして最後に公証人が署名・捺印をすることで完成します。
ブログに載せているこちらの写真は、手元に保管しておく「正本(または謄本)」という写し(控え)の書類です。
そのため、遺言者、証人欄の捺印はないのですが、公証人の先生の署名と捺印がバシッと入っています。
(※実際の原本は公証役場にガッチリ保管されています!)

まとめ

遺言書は愛する家族への最高の贈り物

知らないことだったら、まだ後悔少ないです。
でも知っててやらなかったことって、「あのとき、やっていれば、、」って、すごく後悔することになります。
ただでさえ、大切な人を失って、さらに精神的にも追いつめられる。。
二重にも三重にも悲しみが重ならないように。
「あのとき大変だったけど、一緒に手続きしていてよかった、ありがとう!」と、大切な家族へ、悲しみを少しでも軽くする方法が、今ならあります!

公正証書でなくても、法務局保管自筆遺言書でなくても、とりあえず、まずは、遺言書を書いて、封をしていて、誰かに預けるだけ、でもいいです。
でもそれが、のちのちよりトラブルを招くような文言になっていたら、、結局大変なことは変わりないです。。
気持ちや厚意だけでは、守れないものがあります。

万が一、自分の身に何かが起こったとき、残された最愛のパートナーを守ることができるのは、自分の明確な「意志」を書類として残しておくこと、に他なりません。
今を精一杯生きているときに、万が一のことなんて考える余裕もないですよね。
ただ、万が一の準備というのは、自分のためではなく、「残される大切な人のために、今しかできないこと」です。

家族に面倒な手続きを残したくない場合は、ぜひ公正証書遺言という選択肢!
遺言書は愛する家族への、一生をかけた最高の贈り物です。

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